こんにちは! ネジです!
今回は
「借り上げ社宅制度と住宅手当って違いはあるの?」
という記事です。
私自身、調剤薬局で働く薬剤師ですが、割と転勤も多い業界です。
そのため、福利厚生制度の一環として借り上げ社宅制度を採用している会社もあれば、住宅手当という形で支給される会社もあります。
この違いが働き始めたときにどのような影響を与えるかを知ることでより良い選択肢を選ぶための一助となれば幸いです。
では、さっそく見ていきましょう!
Contents
住宅に関する補助制度にはどんなものがある?
世の中には様々な会社があり手当等も様々です。
例えば、
「ウチの会社で寮を持っているので…」
「わが社は借り上げ社宅制度を採用しています」
「住宅手当として○○円支給します」
といった感じで住宅に関する補助を行っている会社がある一方で、
「上記のような手当はありません」
という会社もあるかと思います。
基本給が同じだと仮定した場合、住宅に対する何かしらの補助がある会社で勤められればその分だけ支出を減らすことができるので従業員としては嬉しいことですね。
私が就活をした際には借り上げ社宅制度か住宅手当を支給している会社はありましたが、寮を持っているという会社はありませんでした。
そのため、今回は借り上げ社宅制度と住宅手当を比較していきたいと思います。
住宅手当(家賃補助)とは?
住宅手当は会社で働く従業員のために会社側が基本給の他に支給する手当の一つです。
金額については会社により様々ですが、「一律同額」あるいは「上限額を決めた上で家賃の○○%まで」といった感じで支給される場合が多いかと思います。
その他に、「△△歳まで」とか「入社●年目まで」、「マイホームを購入したら支給無し」など各会社により条件があると思います。
そのようにして決められた金額を給与に手当として上乗せして支給し、従業員の生活負担を軽減してくれる制度が住宅手当です。
もし、家賃6万円の賃貸に住んでいる方が住宅手当を3万円もらえれば、実質3万円で家を借りることができます。日々の支出が3万円も減ると考えれば大きな違いですね。
借り上げ社宅制度とは?
一方で借り上げ社宅制度は会社が賃貸物件を借りて、その物件を従業員に貸し出す制度です。
簡単に言えば、一般の賃貸物件を寮のようにして使うような形ですね。
その家賃のうち、一部を会社側が負担し、残りを従業員が負担するというのが借り上げ社宅制度です。
従業員が負担する金額については、先ほどと同様に「一律同額」だったり、「上限額を決めた上で家賃の○○%までは会社が負担」など各会社の規定によります。
会社は、家賃から会社負担額を引いた金額を給与から天引きされる形で支払います。
先ほどと同様に家賃6万円の賃貸物件で、「家賃の50%までを会社負担とする」という会社であれば、「6万円-3万円(会社負担分)=3万円(従業員負担)」となり、3万円が給与から天引きされます。
借り上げ社宅制度と住宅手当では結局どっちがお得?
ここまでの説明で、
「結局、住宅手当支給でも借り上げ社宅制度でも会社が支給(もしくは負担)してくれる金額が同じであれば、従業員の負担は変わらないじゃん」
と思った方もいるかもしれませんが、銀行に振り込まれる給与(給与の手取り額)には少し差が生じてしまいます。
結論から言うと、借り上げ社宅制度の方が従業員としてはお得です。
では、なぜそうなるかを見ていきたいと思います。
給与にかかる税金等の違い
まずは簡単に給与から差し引かれる税金等についてです。
全国健康保険協会のホームページ から上記の表がダウンロードできます。
今回は東京都を例に説明しますが、各都道府県で少し税率が異なるので正確に知りたい方はご自分でアクセスしてみてください。
ここで簡単にサラリーマンの給与から差し引かれる税金等についてですが、以下のように計算されます。
所得税:毎月の給与から計算(年末調整で最終的な調整をする)
住民税:前年の収入から計算(前年に収入がない社会人1年目は引かれない)
健康保険:上記の表の標準報酬月額から決定
厚生年金:上記の表の標準報酬月額から決定
雇用保険:給与支給額(税引き前給与)の0.3%
所得税と住民税が毎月私たちの給与から差し引かれる税金です。
標準報酬月額というのは4月~6月にもらう税引き前給与の平均金額から算出されます。
ちなみに上記のうち、健康保険・厚生年金・雇用保険を合わせて社会保険料と呼びます。
借り上げ社宅制度のAさんと住宅手当支給のBさんを比較
家賃6万円の同じ賃貸物件に住むAさんとBさんの基本給は25万円です。
給与は同じものの勤めている会社が採用している住宅に関する補助制度が違いました。
Aさんの会社は借り上げ社宅制度を採用しており、家賃ので3万円分を会社が負担してくれて、残りの3万円がAさんの給与から天引きされます。
Bさんの勤める会社は住宅手当として3万円が基本給に上乗せされ、そこから6万円の家賃を支払います。
比較してみると結果としては以下のようになります。
※所得税や住民税は手計算していますので誤差がある可能性があります。また、AさんとBさんはともに20代の独身で、前年と給与が変わっていないことを前提としております。
上記のように借り上げ社宅制度のAさんの方が住宅手当を支給されるBさんよりも月に5,410円も多く手元にお金が残る計算となります。
これは住宅手当として支給されている3万円分、税金と社会保険料を多く支払う必要があるためです。
標準報酬月額もAさんは26万円(25万円以上27万円未満)、Bさんは28万円(27万円以上29万円未満)で計算されることが表からも理解して頂けると思います。
また、この表を見てみると、もし2人の基本給が26万円だった場合、Bさんが3万円の住宅手当をもらうことで標準報酬月額が30万円になるため、より差額が大きくなることもわかります。
まとめ
ご紹介した通り、借り上げ社宅制度の方が住宅手当の支給よりも従業員にとってはお得な制度であることを理解して頂けたかと思います。
住宅手当を支給されている方は
「税金や社会保険料として国に取られるなら、従業員のために借り上げ社宅制度にしろ!」
と感じるかもしれませんが、借り上げ社宅は会社側が賃貸を借りる契約をして従業員に住まわせるという制度なので手続き等が煩雑になる部分もあります。
また、住宅手当支給条件が「マイホーム購入後も支給される」という優良な会社であれば、住宅手当支給の方がお得とも言えます。(借り上げ社宅制度はマイホームには適応されないため)
このあたりは各会社の規定で定められた条件によりますので難しい部分かと思います。
そして何より、このような制度があるかどうかだけで就職する会社を選ぶということもないかと思います。
なので、今回の記事は迷った時の参考程度に考えていただけると幸いです。
この記事が参考になったという方は知り合いに紹介してもらえると嬉しいです
今回は福利厚生の考え方でしたが、毎月25日には社会人として必要なお金の知識の記事を作成する予定です。記事の更新はTwitterでお知らせしてますのでよろしければフォローをお願いします。
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